それは突然の訪れ…
2023年03月。なんやかんや修士1年だった。 好きな楽器はカホンだった。
いつもどおり週1の研究室が終わり、寝るか〜と思っているとbossから呼び出される。 何かな〜と思っていると、5月にある国際会議のポスター出さない?との提案だった。 なんやかんやで今のテーマが固まったのが今年の1月、研究を始めてから3ヶ月となると確かにその時が訪れてしまったという感じだった。 〆切は丁度1週間後。 まぁポスターとExtended Abstractだけだし1週間あれば書けるだろ〜ということで、書いた。
というわけで、イタリアに行くことに… 😢
準備
これが人生初飛行機・初海外。 なぜここまで頑なに海外に行かなかったかと言うと、 もともと出不精でお家大好きだからというのもあるが、 飛行機が大の苦手で恐怖症と言ってもいいくらいだからだ。 行きたくないよう行きたくないようって泣き叫んでたら、 bossが飛行機のチケット取るのもやってあげるし 飛行機も一緒に乗ってあげるよと言ってくれたので、 じゃあ行くようとなった。
飛行機は事故率からいうと世界で一番安全な乗り物とも言われるが、 一度事故ってしまったときのどうしようもなさも世界一だと思っている。 というわけで、行く前にしっかりと遺書をしたためた。 今思えば、遺書の中でウケを狙いに行ったのは良くなかったかもしれない。 結局この遺書は使うことがなかったのだが、また飛行機に乗る時に新しく書くのはめんどくさいため保存して使いまわすことにする。
出発前にイタリアを調べたところ、南部に行くほど治安が悪いらしい。 今回行くのはローマで、丁度治安の境目らしい。 凶悪犯罪はあんまり起こらないが、スリや窃盗などがとても多いという。 というわけで、スマホをなくさないように首から掛けるタイプのスマホストラップを買って付けていった。 俗(ぼく)に言うちびっ子ストラップ:
あとは適当に服を大量に詰め込んだり乾燥対策の保湿剤を持っていったり。 まぁ正直これ書いてるのイタリア行ってから5ヶ月経った10月だから最早何も覚えてないけど。 確かそんなに大層なものは持っていっていないはず。
出国
モノレールに乗って羽田へ。 国際便といえば成田というイメージだったが、なんか羽田だった。 きっと自分には理解できない謎の仕組みがあるんでしょう。
ちなみにモノレールでは真隣に海外の家族連れの方が立っていたのだが、 男性の方が降りるときに荷物の取り出しに手こずってしまい、 女性のパートナーの方だけが先に降りて"Hurry up!“と言ってるところでドアが閉まってしまった。 男性の方がドアをバンバンと叩き、“Calm down! I’ll catch you up..!“と叫んでいたのでドラマみたいだなぁと思った。 そのあとぼくに、この電車って何分間隔で走ってるか聞いてきたので、スマホで調べて"About 5mins, I guess"と答えた。 関西人特有の知らんけど戦法だ。 まぁぼくに関西の血は一切流れてないけど。 関西好きだし良いよね。
というわけで、羽田到着。
チェックインとかはbossにやってもらおうと思っていたので、 とりあえずユーロへの換金だけしておく。 確か1万円だかそれくらいだけ換金した。 メインはクレカを使う予定だったため、チップとかカードが使えないお店用の現金。 余談だが、50ユーロ硬貨ってめちゃくちゃ500円玉に似ていて、日本に返ってきてから会計時に50ユーロ払いそうになってまぎらわしいですね。
初海外ということで出発3時間近く前についてしまったため、窓際に座ってゲームをすることに。
4,5月にハマっていたHARVESTELLA というゲーム。 オクトパストラベラーに全然はまらず30分でリタイアしてしまった過去があるため スクエニには苦手意識があったが、 このHARVESTELLAはかなり面白かった。 まぁこいつと一緒にイタリアを生き延びたので少し生存バイアス(?)がかかっているかもしれないけど。
しばらくしてbossと合流。 この時点で確か夜9時くらい。眠いね。 荷物を預けて身軽になり、保安検査場を通過。 出国はそんなに保安検査は厳しくないらしく、ほぼ素通りで通過。ちょろい。 そのあとはラウンジで最後の晩餐&飲酒。 写真は取ってない。 これが人生最後のビールだと思うと、とりあえずジョッキ3,4杯くらい飲んだ。 理想は飛行機乗った瞬間に寝ること。
搭乗30分くらい前になったため搭乗口へ。 遅延に遅延を重ねて、多分2時間くらい遅れた気がする。 結局搭乗できたのは日付が回るか回らないかくらいの時間。 初めての飛行機に乗り込むと、なんかANAの機内は薄暗くて青光りしてた。 中二病みたいでかっこよかったです。
そしていよいよ離陸へ。 おぉ、動いてる、でもこんなもんか、余裕余裕。 と思っていたら、じつはこれは滑走路へと向かうために移動してるだけで、全然離陸してなかった。 騙しやがって、性根の悪い飛行機め。 と思っていたら、いきなりエンジンがフルスロットルになり機体が爆発するんじゃないかと思うくらいの轟音が響く。 でも周りの乗客は普通にしてるのでこれが普通なんだろうと思い、 自分もこれが普通ですけど?みたいな表情を保つ。 でも念の為安全姿勢に近しい姿勢だけ取っておいた。 なんやかんや離陸した。 bossが意外に大丈夫そうだねと言ってきたので、 意外に大丈夫ですけど?みたいな表情をキープし続けた。 そのあとすぐ寝た。 晩御飯が提供されたらしいけど、貰わずに寝た。 なんのためにこちとらビール4杯飲んだと思ってるんだ。
今はロシアの上空は飛べないため、 太平洋を通る経路の13時間のフライト。 10時間くらい寝て、最後の数時間でM1を見た。 さや香とオズワルドおもろい。以上。 ちなみにこれがTSGerがスクショしておいてくれていたぼくの飛行機のフライトレーダー。
フランクフルトでトランジットしてルフトハンザ空港でローマへ。 乗り換えは割と時間がカツカツだったため常に早歩き。 特に問題はなく搭乗。 飛行機ってみんなテレビついてるもんかと思ったらついてなかった。 寝た。 ローマ到着。
0日目: ローマ上陸
テルミニ駅からホテルまで
ローマ到着。 5月なのに暑かった。 空港内を早歩きして駅へ。 空港には至るところでホームレスの方が寝てた。 ぼくも眠かった。
ローマのテルミニ駅に向かうためレオナルド・エキスプレスを利用。 流石に電車の時間はかなりルーズだった。 今来てる便が何分のやつなのか全くわからない。 まぁ多分コレだろうというやつに乗ったらついたので、ヨシ!
ローマのテルミニ駅に到着。 この駅は事前情報によるとスリの溜まり場ということで戦々恐々としていた。 常にリュックを前に背負い、何人たりとも近くによらせない心構え。
ここでbossとお別れして各々のホテルへ。 テルミニ駅の出口は辺り一帯がオープンな喫煙所になっており、煙臭かった。 海外だと室内の喫煙は厳禁で、その代わり外での喫煙がかなりゆるいらしい。 煙の中を進んでローマの町中でキャリーを引きずっていく。 ホテルまではなんやかんや遠く、15分くらいかかった。 GoogleMapsによるとホテルについたらしいが、どの建物も総じて古いのでどれがどれなのかよく分からなかった。 しかもすぐ近くには酒とタバコを売っている治安の悪そうな店。 後に知ったのだが、タバッキという名前のイタリア版コンビニみたいな存在らしい。 タバッキを避けて通り、なんとかそれっぽいところに到着。
しかし、以上にバカでかいドア(3Mくらいあった)は鍵がかかっていて開かなかった。 カードキーを指すところはあったが、当然チェックイン前なのでキーもなく、15分ほどドアの前で突っ立っていた。 すると、中から偶然人が出てきたので、それに乗じて侵入。 なんだか悪いことをしている気分になったが、なんとか入れたことには違いない。
入れたは良いが、受付がない。 看板をよく見ると、受付は5Fにみたいな事が書いてある気がする、多分。 エレベータを探すとそこにあったのは…
まじ…? 手動で開閉するタイプのエレベータ。 めちゃくちゃ古くてボロボロ。 なんか沢山警告みたいなの書いてある。 ネコ。
流石にこれに乗るのは気が引けたため、 仕方なく重たいキャリーを持って階段を使うことに。 5Fということは、日本で言う1FがGroundだから6F分登ることに。 しかもイタリアの階段は段差がデカい。 それはもうぜぇぜぇ言いながら上に登った。 ちなみにこの時点で帰りたさは129%を超えていた。 なんとか受付に到着。 チェックインよろとだけ言ってチェックイン。
海外にしては若干狭い気がしたが、 まぁ不自由ない大きさの普通の部屋。 カビ臭さのおまけ付き。 デスクと椅子があったが、 スペースがなくて椅子はほとんど引けなかった。
サバイバル
さて、イタリアを生き抜く上で必要なものが2つある。
1つ目は食料。 食料については、日本から持参してきた:
5日分のカロリーメイト。7箱。14本。 1日2,3本食べれば生きていける。 食料については問題ない。
2つ目に大事なもの、水。 これに関しては、飛行機のルール上日本から持ってくることはできない。 しかもイタリアの水は硬水で日本人が飲むと腹を壊しやすいという。 つまり、水だけは現地のスーパーか何かでミネラルウォーターを調達しなくてはならない。 これはかなり困難なミッションだ。 サバイバルが、始まった。
2時間くらい、スーパーに行くか行かないか迷った結果、行くことに。 近くに2つスーパーがあったが、ネットで調べて治安が良さそうな方に行った。 イタリアのスーパーは買い物かごが地面を引きずるタイプだった。 商品は入荷したときの16個とかそこらのまとまりで袋に入っていて、 客がその袋を破って必要な分だけ持っていく感じだった:
とりあえず水とちょっとしたスナックとコーラだけをカゴにぶん投げる。 レジは、ドラマとかでよく見るベルトコンベアーみたいなやつに商品と仕切りを置くやつだった。 見様見真似で自分の商品と仕切りを置く。 自分の番になり、値段が表示される。 ここで、このスーパーってカード使えるのかなと思い、“Can I use a card?“と尋ねる。 前情報によると、イタリアは若い人は英語が、ご年配の人はフランス語が通じるらしい。 レジをしてくれていた人は若く見えたため英語で聞いてみた。 結果、こいつ何いってんねんみたいな顔で見られた。 泣きながらキャッシュで払った。
スーパーからの帰り道、 ホームレスの方に"Hey give me a minute!“と呼び止められる。 怖かったので、ダッシュで逃げる。 100mくらいついて来られて、かなり怖かった。 これがトラウマになり、残りの5日間は道を歩くのだけでもかなり怯えながら歩いた。
さて、なんやかんやで夜8時。 8時なのにめっちゃ明るかった。
時差ぼけしたくないので、シャワーだけ浴びて寝た。 硬水なので髪パッサパッサになった。
1日目: 会場入り
起床から外出まで
イタリアに来てから初めての食事。 一応朝食付きのホテルだったが、当然行かず。 カロリーメイト2本。 あとミネラルウォーター。
さて、ここで会場に行くにあたって問題なのが、部屋の中のものが盗られないかどうか。 ホテルで荷物が盗られるというのも(イタリアじゃないけど)よく聞く話。 それに加えて、イタリアはベッドメイキングに対してチップを払うべきなのか問題もある。 ネット情報だと最近だとベッドメイキングに対してはチップは要らないのが最近の主流とあったが、実際のところ分からず。 チップがないことに切れて荷物奪ったろwwwと思われたら泣いてしまう。 だが、いつ払うべきなのか、毎日払うべきなのか、どんくらい払うべきなのか等も含めて何もわからない。
というわけで、もうめんどくさいので初日に5日分全部のチップを置いておくことにした。 デスクの上にポスターを置いてあったので、 触らないでほしいということのメモも兼ねて、こんな書き置きを残しておいた:
よく分からんけどとりあえずこれで良いだろと満足して、部屋のドアを開ける。 ここで、これに気づく:
あ、これあるなら部屋に清掃入らなくて済むじゃん。 というわけで、これをセットして会場へ。
会場から帰宅まで
会場までの道中の風景はこんな感じ:
あんまり建築とかは興味ないのでスルー。 それよりも、イタリアはとにかく路上駐車が多くて、道路が全部路駐の車で埋まってた:
会場までは10分くらい。 途中でなんか異常に工事をしてる箇所と異常に治安悪そうな箇所があった。 会場について、受付をする。 First Nameのアルファベットに応じて2箇所で受付をしていたのだが、 Fist/Lastがどっちがどっちか忘れたため、 違う方の受付に並んでしまい並びなおしする羽目になった。
初日は、なんかsigごとのキーノートみたいなやつを聞いた。 昼食とかおやつが出たりした。
バカ舌なので全部小麦の味がした。
イタリアで口にしたもので唯一美味しかったもの、コーヒー。 そのまま飲んだりミルク入れたりしたりするのがこの5日間の唯一の楽しみだった。
よし、ホテルに帰還!
晩ごはんは、カロリーメイト1本。
2日目: ポスター
2日目の朝食、カロリーメイト2本。画像は省略。
会場についた。 こっからPaper発表を聞いた。 なんか何故かみんな英語だった、こわ。
おやつと小麦粉:
コーヒが美味い:
夕方から、ポスターセッション。 なんとか乗り越えた。 途中、質問が2%しか聞き取れない人が来たけど、フィーリングで耐えた。
帰宅。 晩ごはんは、カロリーメイト1本。画像は省略。
3日目: 時差ボケと虫歯
ポスター発表を終えた開放感からか、 体調が大爆発。
時差ボケのせいで、体が動かない。 時差ボケがこんなにも辛いものだとは知らなかった。 ベッドから起き上がることができない。 頭も体も痛い。 シャワーを浴びると少しはマシになる。 だが、それも30分くらいで効果が切れるため、30分ごとにシャワーを浴びた。
それと同時に、まさかのこのタイミングで虫歯が発症した。 小学生以来の虫歯が、まさかこのタイミングで…。 ちなみにこの時は虫歯だとは思っておらず、 時差ボケって歯も痛くなるんだ〜と思っていた。 後日談として、帰国後に歯医者に行ったら右上の親知らずが半分くらいなくなっていた。 そりゃあ痛いだろ、馬鹿。 後後日談として、このあと歯医者に通って虫歯は完治しました(親知らずは引っこ抜いて、残りの小さい虫歯は削った)。 以降は電動歯ブラシに切り替えて、定期的に歯医者に行くようになりました。 電動歯ブラシに切り替えた後の検診で、ひくほど口内環境が良くなってると言われたので、電動おすすめです。
まぁそんな感じで時差ボケと虫歯で完全にダウンしていたので、 3日目はベッドの上で終わり。
因みにホテルの壁は、存在しないんじゃないかと思うくらい薄くて声はダダ漏れだった。 隣の部屋からはずっとレゲェと大爆笑が流れていた。
4日目: 水の枯渇
4日目、水が枯渇した。 買ってた分の水が完全に尽きた。 しかし、もうスーパーで買い物することなんてできない。 というわけで、普通に水道水を飲んだ。 美味しかったし、別にお腹は壊さなかった。 そういえばお腹はそれなりに強いんだった。
この日もDon’t Disturbの札をかけて外出したら、清掃が入ってた。 チップも取ってかれてた。 まぁそのために置いてたので問題なし。 さすがに連泊でずっとDon’t Disturbだから心配されたんだろうね。
会場行って、話聞いて、ホテルに帰還… する途中に、盛大にコケた。 道でコケるなんて1回もしたこと無いのに、それはそれは盛大にコケた。 まぁジーンズの膝が破れて手に血豆がぽつぽつできたくらいなので、大した問題はなし。 寧ろ転んでませんけど?みたいな表情をキープするのに忙しかった。
夜ゲームしてたら、vimが出てきた:
今日の夜ご飯、カロリーメイト。画像は省略。
5日目: ゼルダ発売!
神様、ありがとう…
朝夜ごはん、カロリーメイト。 結局、イタリアにいる間は会場での小麦を除いて、カロリーメイトしか食べませんでした。
日本へ…
ローマ空港まで
飛行機の時間の都合上、ホテルを朝4:00に出る必要があった。 予めフロントに確かめたところ、フロントは24時間やってるらしい。 というわけで、朝頑張って起きてチェックアウトへ。 特に問題なく進み、CityTaxを払ってチェックアウト。
そこからテルミニ駅までが最大の難関。 未明のローマは、かなり治安が悪い。 まだ暗い道の中をテルミニ駅まで歩くあの15分間が、 人生で一番生命の危険を感じた時間な気がする。
テルミニ駅につくと、出入り口のゲートが閉じられていてまだ入れなかった。 bossもまだ着いていなかったため、一人で待つ。 待つ後ろでは、若者が流血しながら大乱闘を繰り広げていた。 なんかガラス瓶を投げ合ったり叩きつけたりもしていた。 その瞬間はほんとに法治国家か???と疑った。 一刻も早くゲート開いて駅に入れてくれと思ってたら、開いた。
レオナルド・エキスプレスのチケットはネットで買っていたため、 スムーズに乗車してローマ空港へ。 そこからは、普通に搭乗手続きして飛行機乗るだけ。 なんで飛行機1回も乗ったことない状態から 1週間で4回も乗らなくちゃ行けないんだと思いながらも、いい加減少しだけ慣れた。
フランクフルト空港から帰国…
フランクフルト空港でトランジット。 待ち時間が長かったためラウンジへ。
そこで飲んだドイツのビール LÖWENBRÄU の美味しさは、多分一生忘れない。もう忘れたけど。
帰国後
寿司だ〜〜〜〜〜〜
焼肉だ〜〜〜〜〜〜〜
アウトロ
イタリアのストレスなのか、帰国後に爆食したせいで8月の健康診断の結果がやばくなりました。 それからジムに行き始めて、1ヶ月で4kg・体脂肪率4%落としました。
虫歯も全部直しました。
8月は同様の用事で北海道に行きました。 今度は飛行機の予約も搭乗も一人でやりました。
日本が一番好きです。 もう一生海外には行きません。 飛行機にも乗りません。
柴犬と暮らしたいです。
ネコ。